2020年1月16日
箱根駅伝とヴェイパーフライ④
前回の続きです。
ズバリ!
ヴェイパーフライネクストパーセントはどのようなランナーに適しているのか。
そのヒントは前回ボクが問いを投げかけた通り、
“トップ選手と市民ランナーの違い”
“トップ選手でも男子と女子の違い”
この辺りにあると思います。
トップ選手と市民ランナーの違い。
答えは単純。
違うのは、スピードです。
彼らはハーフマラソンの距離を1キロ3分、速い選手は3分を切るペースで走ります。
(ちなみに大迫選手の持つマラソン日本最高記録2.05.50はペース2.58/km)
そのペースで行くという事はどういう事か。
箱根駅伝などを観ていて分かったと思いますが、
着地の時に膝から下を前に投げ出し、踵からガッツリ入る選手なんて1人もいないって事です。
速く走るということはそういう事なんです。
ボクがランナーを見てきた、また自分もかつては3分切って走った事がある(もちろん短い距離ね)経験からすると、
1キロ3分チョイの走りを踵着地でやると、長く続かない、或いはそのうち壊れます。
これまで携わってきた大学のチームでも、
トップチームの選手は当然の如く効率的な前足部での着地をして走っていますが、
5,000mを15分オーバーで走る下部のグループの選手には、踵着地も数多くいました。
市民ランナーからしたら5,000mを15分台で走るだけで凄いんだけど、
箱根駅伝のメンバー入りを目指すには1分は遅いわけですからね。
キロ3で走り続けるには、地面に体重を掛け、そして地面からの反発をもらわなくてはなりません。
物理的に、地面の反力を如何にもらえるかに掛かっていると言えます。
なんとなく答えが見えて来たでしょ?
女子選手は何故あまり履いていないのか。
そう。
体重が軽過ぎる、脚筋力が強くない、
ピッチ走法、踵寄り着地でも走れる女子選手には、ヴェイパーの有効性を実感としてそれほど感じられないのだと思います。
その点、男子選手は自分の身長くらいからそれ以上のストライド幅で、地面をバスンバスンと踏んで走る選手が殆どなので、
ヴェイパーの爪先上がりの形状と、クッション性と、カーボンの反発がアドバンテージとなり、体感としても楽に進むなーと感じられるのでしょう。
もちろん女子選手にも例外はいますよ。
ストライドの大きいダイナミックな走りの選手、
筋力トレーニングを積極的に取り入れていて、しっかりと踏み込んで走る選手であれば。
逆に言えば、男子でも体重が50キロを切るような軽さでチョコチョコピッチ走りの選手だとしたら、ヴェイパーの良さはあまり感じられないかもです。
以上のような理由からヴェイパーが主に男子選手に受け入れらやすいのだと思います。
186cmの高身長で大きな走りだった
元日本記録保持者高岡寿成さん(2:06:16 2002年)や、
積極的にウェイトトレーニングにも取り組み、150cm と小さいながらも弾むようなダイナミックな走りだった日本記録保持者の野口みずきさん(2:19:12 2005年)の全盛期にヴェイパーがあったら更に凄かっただろうなぁと想像せずにはいられません。
書いてたら長くなっちゃったので、続きは次回にしよっと。
続きは⑤で