HARA KENSUKE

あの時諦めなくて良かったね

2019年4月17日

ある実業団ランナーの話

 

出会いは一昨年の夏。

当時所属していた地方の実業団のチームメイトにボクを知っている選手がいて、

その彼に紹介してもらい、遠くハラハリまで治療に来てくれた。

 

そのチームではなかなか思うような結果が出せず、移籍を考えていると話していた。

 

そして関東のチームに移籍が決まり、

近くなったと移籍早々に来てくれた。

 

だけど、

ほどなくして腸脛靭帯炎を起こして走れなくなってしまった。

 

中堅からベテランに差し掛かる年齢で、当然ながら即戦力として移籍を受け入れてもらったわけで、移籍後すぐ故障はあまりにも痛かった。

 

腸脛靭帯炎はなかなか手強い故障だ。

 

休んで癒えて、いいかなぁと思って走り出すと5分で痛み出て走れなくなる。

 

それを繰り返す。

彼もそのループにはまってしまっていた。

 

以前のチームより近くなったとは言え、現在のチームも都内にあるわけではなく、毎週通える距離でもないので、飛び飛びの治療しか出来なかった。

 

2ヵ月も走れないと、選手はココロが弱ってしまう。

 

数週間振りに来た時にはまだジョグもまともに出来てない状態で、もう諦めようかなみたいな事を涙を浮かべながらボクに訴えた。

 

いや、ダメだ。

このままでは終われないだろ。終わらせちゃあ後悔する。

今はつらい。つらいのはよく分かる。でもまだ諦めたらダメだ。

必ず治るから。治してあげるから、一緒に頑張ろう!

 

誓った。

 

それから彼は治療もトレーニングもリハビリも一所懸命取り組んでくれた。

 

しばらく来なくなり、どうしてるかなぁと気になったが、ボクからはあえて連絡を取らないようにした。

きっと走れているはずと願ってた。

 

そして先日、久しぶりに来てくれた。

 

正直言うと、

まだあまり走れていないと打ち明けられたら嫌だなぁと心の中で思っていた。

 

どお?走れてる?と恐る恐る聞いたら、

 

おかげさまでまずまず走れてます。と答えが返って来た。

 

春の初戦は?何か走った?

 

はい、こないだの記録会の3000mに出ました。

 

どうだった、どうだった。

 

10秒ほど自己ベスト更新して、8分一桁で走れました。

 

えーーーっ⁈マジか、マジか、マジか!何そのタイム。凄いじゃーん!

 

ボク嬉しくて、寝てる彼の脚バシバシ叩いて涙が出そうなのをゴマかした。

 

あの時ホント諦めなくて良かったねー。

 

ハラさんのおかげです。

 

いやいや、違うよ。キミの努力が全てだよ。

ここからビンビン上げて頑張ってよ。

 

はい!

 

たくさんの患者さんに出会う。

 

ボクの事あんま好きじゃないって人も当然いるだろう。

人と人だから当たり前だ。

 

でもね、

信用してくれれば、諦めず向き合ってくれれば必ず良くしてみせるよ、ボクは。

 

だってプロだから。

 

 

いい事ばかりじゃない、悪いことばかりでもない。

治療家やトレーナーは毎日斬るか斬られるか、まさに真剣勝負なのだ。

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