HARA KENSUKE

たからもの

2016年5月18日

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この時計は、
TUDORというブランドのSUBMARINERというモデルです。今から28年前に作られたちょっとアンティーク。

 

ボクの所有物の中で、
クルマ・サーフボードに次ぐ高価なモノです。

 

そして宝物なのです。

この時計は、
今から20年前、ボクが25歳の頃に一大決心をして大枚叩いて購入したモノです。

(と言っても、当時流行っていたROLEXの半分の値段ですよ。しかも中古だし。)

 

ですが、
この時計にはボクの色んな思いが詰まっているんです。

 

当時ボクは、のちに15年いる事になる鍼の師匠の元で修行をスタートさせたところでした。

 

朝から晩まで、受付・会計・電話対応・カルテ記入・掃除などの雑務、そして全盲の師匠のアシストと、ほぼ1人でこなしていました。
自由に取れる休みなど1日もありません。

 

ミスしては怒られ、ミスしては怒られの説教の毎日。

 

しかも給料はほんの僅か。いわゆる薄給てやつ。

 

ホント毎日が辛かった。

 

そんな折、
仕事帰りに渋谷の街をぷらっと歩いている時に、中古高級時計屋さんのショーウィンドウに並ぶこの時計が目に入って来たのです。

 

値札を見ると…

 

とてもその頃の自分の腕には釣り合う金額ではありません。
(とは言っても、中古だし、ROLEXなわけでは無いので、ウン十万もするわけでは無いですよ。)

 

その日からその時計が気になってしまい、
まだ残ってるかなぁ、売れちゃっていないかなぁと通うようになりました。

 

ボクに買って欲しいオーラを醸し出していました。
(いや、出さないか、そんなもん)

 

そして、
一週間程したある日、ついにお店の扉を開けたのです。

 

なけなしのお金を集めて思い切ってこの時計を買ったのです。

 

その場で腕にはめて眺めながら誓いました。

 

絶対に成功してやる!

 

って。

 

それと同時に、

どうしてもお金に困った時は質に入れて助けて貰おうって。

 

その後も長くて辛い修行時代が続きました。

 

給料も相変わらずでした。

 

何度時計を売ってしまおうと考えた事か。

 

でもそう思うたびに、

 

いやいや、
人生の底はここなんかじゃない。
まだまだオレは頑張れるはずだ、

と自分に言い聞かせ踏み止まってきました。

 

だからボクにとってこのTUDORは単なる腕時計では無く、
ボク自身の成長を支えてきてくれた大事な宝物なのです。

 

ここ数年は引き出しの中でお休みさせていました。

 

意味お分かりですよね。

 

修行を終え、結婚もして、独立して青葉台でハラハリをオープンさせて、以前よりは少しはまともな生活が送れるように成ったって事です。

 

そしてこの度、
三軒茶屋に移転オープンをするに当たり、
初心を思い出すべく、引き出しから引っ張り出して来たのです。

 

左手首に掛かるこの時計の重みは、実際の時計の重さよりも重さを感じるわけですよ。ボクにとっては。

 

決して諦めず、慢心せず、驕らず、

 

初心を思い出させてくれる、大事な宝物なのです。

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